禁酒日記 ~4週目~

禁酒開始から1か月。

「禁酒している」という意識も薄くなり、もう普通になっている。お酒の事を考える事もほとんどなくなった。

 

左官という仕事に就いて6年になる。

ここ2、3年は就業時間が近づくにつれてお酒を飲むことを考える。そんな生活が当たり前になっていた。年中晩酌していたわけではないが、夏場に近づき、気温が上がったり日が長くなると晩酌が癖になる。夏場は毎晩のようにビールを飲む。酒量もどんどん増えていき、禁酒を始める直前は350ml缶を6本以上、毎晩のように飲んでいた。コロナ禍という状況が、宅飲みを正当化させ、いつの間にか習慣になっていた。

そんな生活を送っている時、YouTubeで「お酒をやめる」という趣旨の本の解説動画を見つけた。ビールを飲みながらその動画を観て、僕は依存症予備軍ではないかと思った。そして、ほろ酔いの状態でアルコールを断とうと決めた。

お酒をやめれば何か得られると思った。新しい景色が見えると思った。

 

あれほど難しいと思っていた禁酒。1週間持つか不安だったが、あっけなく達成されていく。

驚きと同時に物足りなさも感じる。禁酒というチャレンジに対しての物足りなさ。

ストレスを感じない分、「やっている感」がない。

そして、体感できる「良い変化」がほとんどない。

このチャレンジによって何を得られるのか?

新しい景色は見えるのか?

意味はあるのか?

そんな事を考えてしまう。

 

人間は、できなかった事ができるようになった時に、喜びを感じる生き物だと思う。

僕は喜びを感じるためのプロセスとして、禁酒というチャレンジを始めたのかもしれない。それが「できない事」だと思っていたから。できるようになって喜びを感じたかったのかもしれない。

 

子供の頃を思い出そう。何もできなかったあの頃を。

喜びの連続だったあの頃を思い出して、チャレンジしよう。

禁酒1か月。そんな事を考えた。

これは禁酒チャレンジによって得られた「良い変化」なのかもしれない。