禁酒日記 ~9週目~

禁酒64日目。

これまで順調だった禁酒チャレンジだが、昨晩大きな山場を迎えた。

中学時代からの友人が奥さんの出産のため、昨日帰省してきた。奥さんはそのまま残り来月出産予定。旦那の方は仕事の為、2泊3日で内地に戻るとの事で、このご時世ではあるが、友人10名ほどで会食する事になった。居酒屋に行くのは3か月振り。

 

僕らの学生時代、地元ではお酒を飲む以外の遊びはほとんどなく、飲み会で絆を深めたようなものだった。いけない事だが、飲みにケーションが青春時代の思い出の大半を占めている。

そんな旧知の仲間の2年ぶりの帰省。更に人生の一大イベントという事も重なり、会食での飲酒の強要は凄まじいものだった。

前もって禁酒している事を伝え、飲み会に参加。初めは良かったのだが、時間の経過とともにお酒が進み、飲み会特有の飲酒強要の流れが始まる。頑なに断り続けるが、飲酒強要も徐々に熱を帯びてくる。その場の雰囲気を壊してしまうような言い合いに発展する場面もあった。

 

この2か月、飲み会と呼べるような会食は1度もなく、お酒を断つ事に苦労することは全くなかった。しかし、昨晩の飲み会での飲酒強要は、正直、かなり辛い時間だった。

特に強く飲酒を進めてきたのは、25年以上の付き合いになる無二の親友。それは、世間一般で言われる「強要」とは似て非なるものだった。大切な仲間の門出に、大切な仲間と同じお酒を酌み交わしたい、という強い思いからの言動だ。それを感じるが故に、心が折れそうになった。ただ、僕もこのチャレンジを始めた以上、引くわけにはいかない。強い意志を示し、最終的には理解してくれた。

解散した後、一連の流れとみんなの事を思い、なぜか涙がこぼれそうになった。

 

嫌なことは割とはっきりと口にするタイプで、少し頑固な性格だと自負している。

一般的に言われる「強要」には強い意志で拒否できる自信があった。禁酒チャレンジを始めた時も、酒席があればできるだけ参加しつつ、すべての誘惑を断ってやろうという強気の姿勢だった。

しかし、こんなにも感情を揺さぶられる「強要」がある事は想定外だった。こんなにも心が揺らぐ「誘惑」があるとは思ってもみなかった。

 

残り1か月、お酒を口にすることはないだろう。禁酒チャレンジの成功は確信している。もう「解禁」は必要ない。そう思っていたが、昨晩、考えが変わった。

 

友の門出に祝杯を上げたい。心からそう思った。

来月、あいつがまた帰ってくる。もしお酒を囲む席に着けたのなら、その時が「解禁日」だ。

 

※先週の日記で書いた「習慣形成」については、来週書きます。こっちも順調にいきそうです。